兵庫県立大学 環境人間学部・研究科

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研究トピックス(陸水物質循環研究室)

環境デザイン系 - 実績/成果

陸水物質循環研究室(伊藤 雅之研究室)

【研究室の概要】

専門は生物地球化学(Biogeochemistry)・水文学(Hydrology)です.

本研究室では陸域の水環境(河川・湖沼・湿地など)を対象に炭素や窒素などの物質循環とそれに関わる生物・地学・化学的過程に関する研究を行います。主に、温室効果ガス動態・水質汚染など自然環境中の物質の動きやそれへの人間活動の影響などに着目します。

研究対象は河川、湖、地下水やこれら水・土壌・大気の物質交換などで、各種反応に関わる微生物的反応や物理化学的な反応なども対象となりえます。

フィールドは国内外の湖沼や河川、森林湿地、泥炭湿地、水田などです。日本国内だけでなく、現在最も環境問題が深刻な東南アジア(インドネシアなど)についても野外調査を行っています。野外で採取した試料は、実験室で様々な化学・物理的な分析を行い、その結果から様々な要因を明らかにします。

インドネシア・カリマンタン島で泥炭湿地林からのメタン(温室効果ガス)放出を観測

 

【温室効果ガス観測】

二酸化炭素やメタン、亜酸化窒素といった主要な温室効果ガスが、それぞれの生態系からどのようなメカニズムでどのくらいの量放出(あるいは吸収)されているかを現地観測しています。

国内外のサイトで観測を行っており、国内では兵庫県が全国一番の数の多さである「ため池」や森林内の湿地、びわ湖など、海外では台湾のダム湖やフィリピンの火山湖(一番上の写真)、インドネシア・マレーシアの泥炭湿地林などをメインの調査地として観測を行っています。

ポータブル温室効果ガス観測装置(これを現場に持って行って現地で濃度変化を測定します)

 

研究対象の観測地(上から時計回りに、ため池:兵庫、びわ湖:滋賀、火山湖:フィリピン、熱帯泥炭湿地林:インドネシア、熱帯雨林:マレーシア、ダム湖:台湾)、Google earthを改変

 

 

【湖や河川の水質】

湖や河川の水質を調査し、人間活動や土地利用変化がそれぞれの水質にどのように影響しているかについて調査をしています。特に、河川の上流は森林、中下流では農業や工業、住宅地など土地利用が変化していきます。それに従って、河川の水質(溶存するいろいろな成分)がどのように変化するかについて、現地での採水→実験室での分析という風な流れで調査しています。日本だけでなく、海外(マレーシアやモンゴル)でも、森林伐採や開発に伴う大規模な土地利用変化が生じており、それらの影響が河川水質にどのように影響しているかということに興味があります。

熱帯林がオイルパーム(油やし)プランテーションに変化すると、水に溶ける成分や炭素・窒素はどう変化するのか?を調査する。

 

 

【主な研究トピック】

・播磨地域のため池におけるメタン動態調査
・熱帯から温帯に至る様々な湖におけるメタン動態・放出量調査
・熱帯泥炭湿地林の炭素循環とプランテーション化(オイルパーム)など人間活動が及ぼす影響
・マレーシアの土地利用変化が河川水質に及ぼす影響の調査
・湿地や水田からのメタン放出量調査
・安定同位体比を用いた温室効果ガスや水質変化のメカニズム解明
・環境DNA分析を用いたため池のため池の在来種・外来種調査

詳しくは研究室のページをご覧ください